腎臓及びネフロンの構造と機能

動物機能形態学
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概要

腎臓は動物の後腹膜腔の左右に1対存在する臓器で、動物の尿生成や血流調節の機能を司っています。愛玩動物看護師には必須の知識となるので、深く理解しておきましょう。

腎臓の位置と構造

形態と位置

腎臓は左右に1対、合計2個存在します。犬や猫では豆型をしていますが、動物ごとに形態が異なることがあります。

胃や肝臓の存在する腹膜ではなく、後腹膜腔に存在しています。

動物では通常、右腎臓が前方に存在し、左腎はやや後方に位置しています。さらに左腎は胃に圧迫されて位置が移動しやすくなっていることもあるため「遊走腎」と呼ばれることもあります。

内部構造

腎臓の内部構造は皮質髄質腎盂にわかれています。

皮質は腎臓実質の外層にあたる部分で、糸球体近位尿細管などが存在しています。

髄質は腎臓実質の内層にあたり、遠位尿細管が存在しています。

複数のネフロンから伸びる尿細管は集合管へと収束・開口し、腎盂に接続します。

腎盂に集まった尿はさらに尿管を通って膀胱へとながれていきます。

腎臓の組織

腎臓は、人体にとって欠かせない器官です。その中でも特に重要な役割を担うのが、腎臓の組織構造であるネフロンです。

ネフロン

ネフロンは、腎小体尿細管から構成されます。腎小体は、糸球体ボウマン嚢ボウマン腔から構成されています。

糸球体

糸球体は、動脈と動脈の間に存在する毛細血管網で構成されています。その中には、糸球体毛細血管内皮細胞メサンギウム細胞があります。

ボウマン嚢とボウマン腔

ボウマン嚢は、糸球体を包む2重の袋構造のことです。内壁は足細胞で構成され、外壁は壁細胞単層扁平上皮細胞で構成されます。

ボウマン腔は、糸球体とボウマン嚢の間の空間のことです。ここには、濾過された原尿が蓄積されます。

血液尿関門

腎臓の血液尿関門は、糸球体毛細血管内皮細胞糸球体基底膜タコ足細胞から構成されています。ここでは、血中タンパクなどは透過しません。

尿細管

尿細管の細胞は、近位と遠位で細胞の性質が異なります。近位尿細管では、刷子縁が発達しますが、遠位尿細管では発達しません。

傍糸球体装置

糸球体から出た尿細管は、ヘンレループを経て再びもとの糸球体近傍に戻り、糸球体に出入りする細動脈に接触します。この部分を傍糸球体装置と呼びます。傍糸球体装置では、レニン分泌の調整が行われます。

腎臓は動物の身体を支える重要な器官です。腎臓の組織学を理解することで、腎臓の機能をより深く理解することができるでしょう。

腎臓の生理学

腎臓は、尿生成と血流量の調節を担っています。ここではそれらの機能の概略について説明します。

尿生成のプロセス

尿生成における腎臓の組織構造の最小単位は、ネフロンです。ネフロンは、腎小体尿細管から構成されています。

糸球体は、血液を濾過し、原尿を生成します。尿細管は、濾過された水と溶質を再吸収する役割を果たします。尿細管は、近位尿細管遠位尿細管に分けられます。尿細管の下行脚から上行脚に転回する部分を、ヘンレループと呼びます。

集合管には、遠位尿細管が開口・収束し、電解質・尿素・酸-塩基および水の排出速度の最終調整が行われます。これにより、身体にとって必要なものは再吸収され、不要なものは排出されることになります。

腎臓は、尿生成の仕組みを担う重要な臓器です。尿生成を支える腎臓の組織構造を理解することで、健康的な生活を送るための基礎知識を得ることができます。

ホルモンによる血流量の調節

腎臓は、血圧を感知することで、血流量を調節する臓器です。糸球体傍細胞が血圧を感知し、血圧が低下した場合には、レニンというホルモンが分泌されます。

レニンは、血圧を上昇させる機能を活性化させることで、血流量を増加させることができます。また、血液中の酸素が減少した場合には、エリスロポエチンというホルモンが分泌されます。

エリスロポエチンは、赤血球数を増加させることで、血流量を増加させることができます。腎臓のホルモンによる血流量の調節は、身体の血圧を維持する重要な役割を果たしています。

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