2022年予備試験の出題傾向について考えました

勉強法
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2022年11月に愛玩動物看護師国家試験の予備試験が実施されました。

合格率は驚異の99.5%!

現場を長く支えてきた旧動物看護師の皆さんには感服しました。この調子で本試験も応援しています。

さて、あらゆる試験対策は「はじめに過去問を解き、出題率の高い分野から学習し、低い分野は後回しにする」のが基本です。

「予備試験は本試験の出題数の半分程度である」とされており、その出題傾向も同様のものになる可能性が高いと考えられます。

今回は国家試験として初めて実施された2022年11月の予備試験の出題傾向をグラフにし、2023年2月の本試験に向けてどういった対策をすべきであるのか考察してみます。

分野別出題数および出題率

一般+実地問題

図1. 2022年予備試験分野別出題数

図1の画像は管理人が予備試験問題をカリキュラムの内容と照らし合わせながら独断で分類したものですので、他の分析と異なる可能性もあるのでご注意ください

青色が”基礎動物学”、緑色が”基礎動物看護学”、黄色が”臨床動物看護学”、赤色が”愛護・適正飼養学”に分類される科目となっています。

出題数の多い順にいくつか列挙すると

  1. 動物内科看護学-17問
  2. 動物形態機能学-13問
  3. 動物臨床看護学各論-10問
  4. 動物感染症学・愛玩動物学-8問
  5. 動物臨床検査学-7問(ここまでで計63問-63%)

一方、管理人の独断で分類した結果では、以下の科目が0問ないし1問しか出題されませんでした。

  • 生命倫理・動物福祉-1問
  • 動物繁殖学-1問
  • 動物愛護・適正飼養関連法規-1問
  • 動物看護学概論-1問
  • 公衆衛生学-1問
  • 動物医療コミュニケーション-0問
  • 動物生活環境学-1問
  • ペット関連産業概論-0問

次に、先程の結果を円グラフにしたものが次の図2になります。

図2. 2022年予備試験出題率

青系色の部分が”基礎動物学“、緑系色の部分が”基礎動物看護学“、黄系色の部分が”臨床動物看護学“、赤系色の部分が”愛護・適正飼養学“となっており、出題率が高いほど、コントラストを強く設定しています。

全体的に”臨床動物看護学”にあたる分野から多く出題されていることがわかります。

また、愛玩動物看護師国家試験特有の分野である”愛護・適正飼養学”に該当する科目も”基礎動物看護学”に匹敵する程度の量が出題されています。

一般

予備試験一般問題の分野別出題数と分野別出題率は以下のようになります

図3. 2022年予備試験一般問題分野別出題数

出題数の多い順にいくつか列挙してみます。

  1. 動物機能形態学-6問
  2. 動物感染症学・動物内科看護学・動物臨床看護学-5問
  3. 動物外科看護学-4問
  4. 動物栄養学・動物病理学・愛玩動物学・適正飼養指導論-3問(ここまで計37問-74%)

一般問題のみで分類すると、動物機能形態学の問題が最多で出題されていることがよくわかります。

また、全体では目立たなかった動物外科看護学も出題数が多いようです。

次は一般問題の出題率の円グラフです。

図3. 2022年予備試験一般問題分野別出題率

円グラフにすると、基礎動物学(青系色)と臨床動物看護学(黄系色)の割合が4分野の中でやや高いことがよくわかります。

また、基礎動物看護学のうち、半分は動物感染症学が占めているようです。

実地

図5. 2022年予備試験実地問題分野別出題数

こちらも、出題数の多い順にいくつか列挙してみます。

  1. 動物内科看護学-12問
  2. 動物形態機能学・動物臨床検査学-7問
  3. 動物臨床看護学各論・愛玩動物学-5問(ここまで計36問-72%)

図5をみると、実地問題は全体的に、出題科目の偏りが大きいことがわかります。

特に動物内科看護学は実地問題のみで12問も出題されており、実地問題のうち24%がこの科目から出題されていることになります。

次は出題率の円グラフです

2022年予備試験実地問題分野別出題率

一般問題は4分野の偏りが小さかったのに対し、実地問題では、その問題の半数が”臨床動物看護学“(黄系色)が占めていることがわかります。

また、一般問題では出題数の少なかった”愛護・適正飼養学“からの出題が次に多い結果となっています。(単体科目では、基礎動物学の動物形態機能学のほうが多い点に注意)

考察と対策

基本的には「実地+一般」全体で出題率の高い科目から勉強すべきです。

そう考えると勉強の優先度が高い科目を3つ挙げるとすれば以下のようになります。

  1. 動物内科看護学
  2. 動物形態機能学
  3. 動物臨床看護学各論

しかし、実地問題は「画像を見れば一発で答えがわかる=問いに対する必要知識が1つ」である問題が多い一方、一般問題では、「五肢選択から消去法で答えを導く=問いに対する必要知識が4つ以上」である問題が多いです。

したがって、実地問題の出題率の高い「動物内科看護学」をあえて後回しにして一般問題での出題率の高い「動物形態機能学」を最優先で学習するのも一つの戦略であると思います。

まとめ

この記事を書いている12/20日は試験当日まで2ヶ月を切っています。

もう一度言いますが、あらゆる試験対策は「はじめに過去問を解き、優先度の高い分野から学習し、優先度の低い分野は後回しにする」のが基本です。

特に動物専門学校卒業者などの非予備試験受験者の方で、まだ勉強を始めたばかりの方はこの出題傾向を参考に、優先度の高い科目から勉強をはじめることをおすすめします。

もちろん「基礎科目を学んだ後でなければ、臨床科目が理解できないかもしれない」という意見もあると思います。

しかし、これから本試験を受ける人は、大学・養成所などで講義を受けたり、予備試験で勉強済みだったりして”一通りインプットした方しかいない“と思いますので、今から勉強順序や網羅的なインプットを意識して勉強するのは時間がもったいないです。

少なくとも出題数が0~1問の科目のインプットに時間を使いすぎるのは避けるべきです。

念のために再度示しますが、この科目たちです。

0~1問の出題だった科目
  • 生命倫理・動物福祉-1問
  • 動物繁殖学-1問
  • 動物愛護・適正飼養関連法規-1問
  • 動物看護学概論-1問
  • 公衆衛生学-1問
  • 動物医療コミュニケーション-0問
  • 動物生活環境学-1問
  • ペット関連産業概論-0問

限られた時間を有効に使って、優先度の高い科目からガツガツ問題を解いていきましょう

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