【動物病理学】良性腫瘍と悪性腫瘍について解説

動物病理学
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動物に発生する腫瘍には様々な種類があり、病理学ではそれらを細かく分類していくことで一つ一つの腫瘍に対する理解を深めています。

腫瘍はその生物学的態度に応じて、大きく良性あるいは悪性と分類されます。

良性腫瘍は、腫瘍組織周囲と正常な組織との境界が明瞭に形成されており、周りの組織に浸潤しないなどの特徴を持つタイプの腫瘍のことを指します。そのため、良性腫瘍は、手術で摘出することができ、再発することも少ないのが特徴です。

悪性腫瘍は、細胞の増殖が激しく、正常組織との境界が明瞭ではないため、周りの組織に浸潤してしまいます。そのため、悪性腫瘍は、手術で摘出した後も、再発することが多く、転移することもあります。

以下に良性と悪性の主な違いについてまとめました。

良性腫瘍悪性腫瘍
発育形式膨張性、圧排性(境界明瞭)浸潤性(境界不明瞭)
被包完全被包不完全被包or被包なし
発育速度遅い
有糸分裂像少ない
早い
有糸分裂像多い
転移ないある
再発少ない多い
異型性軽度重度
細胞の分化度成熟未熟
壊死・出血少ない多い
全身への影響少ない著しい
良性腫瘍と悪性腫瘍の鑑別

以上の違いは、良性、悪性ともに必ず現れる特徴とは限りません。

例えば良性腫瘍でも有糸分裂像が多い腫瘍などもあったりします

非専門家
非専門家

じゃあ獣医師はどうやって腫瘍を良性とか悪性とかって判断してるんですか?

獣医師
獣医師

臓器・部位別の悪性腫瘍に現れやすい特徴があったり、予後が悪い腫瘍に特徴的な形態があったりするというデータを参考にしながら総合的に判断します。

たいていの動物病院では、病理検査の専門家や企業に依頼して、なるべく正確な助言をいただいて適切な治療方針を検討しています。

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