【動物感染症学】細菌の一般構造について解説

動物感染症学
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細菌は自己増殖することができる最も小さな単細胞の原核生物であり、形態は様々です。

動物細胞や植物細胞と似ている点もあれば異なる点もある上に、属ごとに異なる構造を

基本構造

細菌は原核を持っており、DNAは環状二本鎖となっています。

細胞質膜

細菌の細胞質膜はリン脂質二重層構造を持ち、物質の透過や高分子の生合成、分泌をするタンパク質が含まれています。

リボソーム

細胞の中でタンパク質を合成する場所としてリボソームがあります。

病原因子と抗原

細菌には病原性をもつ因子や抗原があり、これらは細菌の生存や繁殖に必要なものであります。

莢膜

細菌の最外層に形成される莢膜は、多糖体からなり食菌作用や殺菌物質から菌体を保護する。これは、K抗原と呼ばれます。

鞭毛

細菌の運動機能を担うフィラメントである鞭毛は、H抗原と呼ばれます。

線毛

細菌の線毛には運動機能がなく、菌体線毛は宿主細胞への接着時に宿主側のレセプターを認識し結合します。一方、性線毛はプラスミドを伝達します。

細胞壁

細胞壁は細胞の形態を維持し、浸透圧変化から菌体を守る役割を持ちます。細胞壁の構成や化学組成は、グラム陰性細菌とグラム陽性細菌で異なります。

グラム陽性細菌の細胞壁は厚く(30~70%)、グラム染色で青色になります。これは、主にペプチドグリカンからなります。

一方、グラム陰性細菌の細胞壁は薄く、グラム染色で赤色になる。これは、外膜を持ち、LPS(リポ多糖体)が含まれています。また、MタンパクやプロテインA、タイコ酸なども存在します。

なお、グラム陰性菌の細胞壁には、ペリプラズムという細胞膜と細胞壁の隙間や、物質を輸送するポーリンも存在します。

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